あまりの状況についていけずポカンとしてしまったが、それはフェイトだけではなかったようだ
ベス達も驚いて突然あらわれた2人の青年を見ていた
「他は……あぁ、もう掃除されてんな。さすがに早い」
何かを感知しているのか、長身痩躯の、ワーズと呼ばれていた男は楽しげに笑う
「やっぱり……つまんない」
「ソルト…お前、俺にワガママだって言わなかったか?」
「忘れた」
「おい!」
ワーズとは反対に抑揚のない声で淡々と受け答えをするソルトという男も負けず劣らずの長身だ
全身を黒いコートで覆い、銀の装飾品で飾っている
一番異様なのは、ワーズは右の目をソルトは左の目を黒い革で覆っている事だ
眼帯と言うには大きなそれは、眼から頭皮にかけて顔の3分の1を隠している
「まぁ……口実が出来たのは確かに好都合だね」
ソルトが言うとそこにまた新たに影が舞い降りる


