「カシコミカシコミ 玉揺らの音を 鈴代の社に 誘いたまえ」
リーバが放った紙は意思を持って飛んでいき、デスイーターに張り付いた
そして、小さな歪みに吸い込まれるようにデスイーターが目の前から消えた
リーバはへたりと座り込み、詰まった息を吐き出した
デスイーターが消えたことで荒い息をしているディンとブラッドも剣をおろした
「リーバ!大丈夫か」
「大丈夫だよ…」
フェイトは疲れたように抑揚のない声でいうリーバの怪我をしている手を取る
「大丈夫じゃないだろ?血が出てる」
心配して顔を覗き込めば、リーバはびっくりしたように目を瞬かせた
リーバが何か言う前にベステモーナが何かの魔法を発動させた
「我が名のもとに 誓約を誓う」
薄い緑の燐光が地面に浮き上がり5人を包んだ
白い膜がドーム場にかかり夜の闇とフェイト達を遮断する
額に汗を滲ませてベステモーナも座り込む
「これで大丈夫です……」
「ベス、これは……?」
「私の家に伝わる守りの魔法です。あの程度の小物ならしばらくはもつでしょう。時間稼ぎありがとうございました」


