「さぁ!あと1週間後には第二回、クラス対抗戦が始まります!」


グッと拳を握り締め、力強く指揮をとるのはやはりベステモーナ・アイスバーンその人なのだ

前回と変わらずに張り切っているベスを少し複雑な心境でフェイトは見ていた


「いくらなんでも力み過ぎだよねぇ」

「確かにな……」


ディンは笑っているがフェイトは苦笑しかできない
前回勝利したにも関わらず、ベスの熱の入れようには鬼気迫るものがあった


フェイトは昨日ベスに言われた


『貴方がこの二ヵ月で覚えたなけなしの魔法を実戦形式で特訓したいと思います』

『何で俺が……』

『口答えは却下します。貴方は誰よりも最弱であることをお忘れにならないように』



「ぐうの音も出ない主張だったね」

「……うるせぇよ」



不貞腐れるフェイトにディンは慰めるように、少し笑いを含んだように言った


「大丈夫、僕も一緒に訓練してあげるから」

「おい!顔が笑ってるぞ」

「そんなことないよ」



作戦会議が終わると、フェイトはベステモーナに引きずられるように訓練用の森へ向かった