夢を見る
同じ夢を幾度見たのだろうか?


少女はどこかで見たような漆黒の瞳をしていた


やはり顔立は印象に残らない
腰のあたりまである漆黒の髪、着ているワンピースまで漆黒で、まるで闇の化身の様だった


少女が笑う気配がする


雪のように白い肌
小さな口が微かに動いた


『 』


何かを口ずさんだが、フェイトには何を言ったのか分からなかった


けれど、何故かそれは切なく、哀しく聞こえた



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パチリと目を見開いてフェイトは目覚める


上半身だけ起こせば、窓から差し込む朝日が眩しい

同じ夢を見ている

けれどソレを覚えているようで覚えていない
記憶はなぜか目が覚めるとゆるゆると流れ落ちてしまう

それは夢なのだから、当たり前のようにも思えたが今日は不思議な感覚がフェイトに迫る


胸が騒つく


けれど、その理由も分からぬまま登校時刻は訪れる