そして、魔力の方は四苦八苦してやっと出せたかと思ったら……受付の人は憐れみを含んだ苦笑いをしていた!
結果が良くないことは明らかだった……



そんな自分より学力がないなんて正直ヤバいだろう
フェイトは、同じくビンの中に入れられた狼少年に憐れみの視線を送っておいた


「先生の言うこと聞かない人、喧嘩した人はぁ、ビンに入れちゃうぞ」


語尾にハートマークがつきそうなくらい可愛らしくプティ先生は言ったが、言っている事は物騒だ


「て言うか……分かんねぇことだらけだな、クラス対抗戦とか」


フェイトは外に聞こえてはいないと思って呟いたが、ビンに入れた張本人のプティには聞こえていたようだ


「フェイト君、クラス対抗戦って言うのはねぇー『デスイーター』と戦う為の模擬訓練のことよ」


「デスイーター?」


「そうよ、闇属性の迷える魂。それに対抗出来るのが魔法だけなの」



フェイトは驚いたが、他の生徒は驚いてはいなかった
デスイーターとやらと争うことが当たり前のような顔をしている


「だからぁ、魔法を効率よく使うための訓練ねー。他の魔法学園とは年に一度、対抗戦をしてるの。だから、フェイト君も皆もがんばってねー」


フェイトは震えた


(待て待て、それって……魔法を使ってゲームするってことだよな?)


戦うことを前提としたゲームだ


魔法学園はなにもメディア1つではない
年に一度他の学校と魔法を使い戦って、更にそのために月一でクラス対抗戦………


外ではプティ先生がにこやかに学園の諸注意を述べているが、フェイトはそれどころではなかった




(……俺……魔法一つも使えねぇし)