「……魔法式に干渉する……素材は銀……髪留め……文様はなし」
フェイトの襟足をつかみ、髪留めを調べはじめたウル・ルウには他人の声は届かない
「ちょっ!痛い!引っ張らないで!」
髪を引っ張られ痛がるフェイトを気にもせずに検分する
みかねたリーバがめんどくさそうに言った
「で、結局なんなんです?ボクの術式を歪めた原因は」
「……これは守りの魔法具だよ」
やっとフェイトの髪から手を離したウル・ルウはおもむろに立ち上がり、ガラクタの山を探りはじめた
「守りの魔法具?」
「そう……それもかなり強力なね」
ガタリと引きずりだしたのは古ぼけた分厚い本だった
ソレを手にしたウル・ルウが何事か呟くと本のページが光を放ち、ひとりでにめくれはじめた
「詳しいことは調べなきゃ……また連絡するから……待ってて……?」
また眠たげな口調でウル・ルウは言うと最後に少しだけ微笑んだ


