ピンポーン……
間抜けな音が響く
これはもう十回近く鳴らされた音だが、返事は一度もない
「やっぱり留守か?」
「いや、気配はあるけど?」
どうしたものか、ドアの前で手をこまねいているとベスが扉の前に立った
制服のポケットから紙を取り出すと、何かを書き付ける
そして、その紙をドアの部に押しつける
「秘密はいつか破られる」
カチンと鍵が開いた
「開いたのか!?」
「ええ」
サラリと扉を開いたベステモーナにリーバは口笛を吹く
「なかなかやるじゃない」
「それほどでも」
スタスタと勝手に他人の部屋に入っていくベスとリーバ
不法侵入?と思ったが何も言わずフェイトも中に入った
その部屋は壮絶なモノだった
「痛い!なんか踏んだよ!?」
「やだ!?グニャってしました」
ディンが足の裏を痛そうにさすり、ベスは鳥肌を立てて飛び上がる
「色々あるな……カオス状態だぞ」
木や鉄、布や鋼など色々な素材の小物が部屋中に散らばっている
足の踏み場もないとはこの事だ
「あのーすみません、ウル・ルウ先輩?」


