「なら、三年のウル・ルウ先輩ならわかるかも」
魔法具について詳しい人がいないか相談していると、レクルが教えてくれた
「ウル・ルウ……先輩?」
「アパートが私と同じなの。魔法具を作ることを生業にしている一族らしいから、魔法具について詳しいと思うわ」
アパートの場所と部屋の番号を教えてもらい4人で向かった
が、アパートの前に待ち人がいた
苦い表情でディンが唸り、ベスは眉間に深くシワを作る
ブラッドがため息をついたところでフェイトが呟いた
「何でここにいるんだよ……」
「ヨロシクネって言ったでしょ?」
リーバ・カデラインがにこやかにアパートの前に立っていた
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「リーバ、何故ここに?」
「ブラッド、君は相変わらずの仏頂面だね」
クスクスとからかうように笑う
古風な造りの五階建てのアパートはエレベーターがなかった
その最上階を目指して階段を上っていたブラッドは小声でリーバに話し掛ける
「お前は平気なのか?」
ブラッドの言葉の意味は容易く察しがついた
意識して声を落とす


