ブラッドの質問に首を傾げていると、プティ先生が教室に入ってくる直前にディンがギリギリに教室に入って来た
「何してたんだ?」
あんなに騒いでいたのだから、ディンなら面白がって見ていると思ったのに
「別に?」
いつもの飄々とした様子でディンは笑ったが、それに違和感を覚える
「ディン、お前……」
「はーい。みんな席についたかなぁ?」
フェイトの声はプティ先生の朝礼に掻き消された
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昼休みになってからベステモーナは先日の騒ぎの詳細をフェイトから聞いていた
簡単な事情は噂で知っていたが、細かいことは聞いていなかったからだ
「てわけで、俺は完全に被害者」
「……」
「……なんだよその目は」
「納得いかないんじゃない?」
ディンが昼食をとりながら黙りこむベスの代わりに言った
ベスは訝しげにフェイトを見ていた
「普通はないんだよ。魔法は失敗したら発動しない。術式は繊細なものだからね」
「……俺が魔法術式を歪めたのか?」
リーバが言っていた言葉を思い出して言ってみた
「それは分からない。あんなのは初めてみた」
いつも昼食は1人でとっているブラッドは、今日は一緒にカフェテリアの席についている


