その手で溶かして


ギーーという音に焦りを感じ、体が固まる。



ママが近づいてきた合図。


「おかえりなさい。パパがお腹ペコペコみたいよ。」



良かった。



ママの機嫌は悪くない。



「遅くなってごめんなさい。すぐに着替えてくる。」



いつ急変してしまうかわからないママの機嫌に怯えながら、私は着替えを済ませ、リビングへと向かった。



ママが少し可笑しいと感じていたのは、かなり前からだけど、今日を境にあきらかに可笑しくなっていた。



ギーー



「ほら、早く席に着いて。いただきましょう。」



「……っあ。うん。」



お腹がペコペコだと言っていたパパの姿が見えない。



でも、テーブルには3人分の料理が……