その手で溶かして

「そうだったのか……」



一気に喋り終えた私に、ウミは浮かない表情を向ける。



ウミにとっては、嫌な話だったに違いない。



自分の母親が“あんな女”扱いされ、不倫をしていた事実を突き付けられたのだから……



「こんな話……ごめんなさい。」



胸が痛い。



私はこんな風に誰かを傷つけたいわけではないのに。




いつだって、関わった人達を傷つけてしまう。



「ユキが謝ることじゃない。それに、辛かったのはユキだろ?」




「そんなふうに言わないで。」



私は見つめていたウミの瞳から視線を逸らした。