その手で溶かして

初めて見るママの姿に私は何も考えられなくなっていた。



ただ、私のしたことがママをこんな風に変えてしまった。



そして、その事が原因で私はママに捨てられてしまう。




その恐怖に怯えきっていた。



声も出ない、体も動かせないほど動揺している私の頭に、フワッとママの手が乗っかった。



「真雪はいい子ね。真雪なら、そう言ってくれると思ってた。これからは、もっといい子になって、ママを喜ばせてね。」



そうか。



私がいい子で居れば、ママはいつもと変わらない優しいママで居てくれる。



簡単なこと……



いい子で居れば捨てられない。