「卒業後、どうするかをゆっくりと考えて家を出るつもりだったんだけど……俺も頭にきちゃってさ、最低限の荷物を持って家を出てしまったんだ。」 「宛てはあったの?」 「そんなものないよ。だから、家を出てから困ったよ。取り敢えず、漫画喫茶で夜を明かしたけれど、お金にだって限界があるからね。」 「そうよね。」 無計画な遠藤君の行動に、私は半分呆れていた。