その手で溶かして


ポツリ、ポツリと言葉を繋いでゆく。



ボサボサの髪に、無精髭姿。



瞳にはあの頃の輝きはまるでなくて……



人は簡単に変わってしまえるものなのだと、関心さえしてしまう。



「遠藤君?」



「ん?」



それでも、穏やかな口調は変わらない。