その手で溶かして


「今日はね、お願いがあるんだ。」



「お願い?」



ナオは羽織っていたジャケットを脱ぎながら、目線だけをこちらに向ける。



「今日、拓海達がカラオケに行くらしいの。それで、偶然を装って乱入しようかと計画してて。」



「もしかして、それに付き合って欲しいとか?」



「さすが、真雪ちゃん!頭も良ければ勘も鋭い!」



顔の前でパチンと手を叩くナオは、少しだけ抜けている。



だって、どう考えたって頭がいいことと、勘が鋭いことは関係ない。