その手で溶かして

春休みに入り、1週間も経っていないある日、ママの様子が再び変わった。



今までは完璧すぎるほどにこなしていた家事を、すべて放棄したのだ。



その為、私が縛られていた夕食の時間までに帰るという門限がなくなった。



何時に帰っても、何か言われることはない。



というよりは、私の帰る時間にママが家にいないのだ。



高校では毎日作ってくれたお弁当も勿論ない。



大学に入ったからといって、お小遣いが値上がりしたわけでもない私の財布は、お昼ご飯を学食で食べられないほど、寂しいものだった。



お金がないと言いながらも、私はナオと待ち合わせをした喫茶店で紅茶を飲んでいるのだけど……