その手で溶かして


「……っと、取り敢えず座ろうか。」



こんなふうに、遠藤君が取り乱しているのは何故なのだろう?



さっきは突然のことだったから、仕方がなかったとしても、まだ落ち着きを取り戻せない遠藤君を不思議に思う。



やはり、今日感じたことが真実なのでは……



「何か飲み物でもいる?」



遠藤君の言葉通り、一旦、ソファーに腰をおろすことにした。



「いらないわ。」



「そう。じゃあ、自分の分の飲み物を取ってくるから待っててくれる?」



「えぇ。」



席を外している間に、私が帰ってしまうかもしれないと思っているのだろう。



心配そうに何度も後ろを振り返りながら、飲み物を取りに行く遠藤君。



私は別に逃げ出すつもりなんてない。



出来れば一秒でも早く、この場から抜け出したいとは思っているけど……