その手で溶かして


「拓海の周りにいた奴らは少なくとも俺より多くのものを見て生きていた。俺もそんなふうに生きてみたいと思った。」



それは……



彼らの当たり前と私達の当たり前が違っただけではないの?



彼らは私達の当たり前を理解したうえで、今の道を選んだとでも言うような遠藤君の言葉。



「変かな?俺の考えは?」



口調は優しいけれど、はっきりと意志を伝えるその瞳に私は俯いてしまう。



「ごめんなさい。私にはわからないわ。」



「そうか。変なのかな?」



何故だか楽しそうに、前を歩くウミ達を見つめている。



もう、何がなんだかわからない。



例え、遠藤君の言っていることに共感できたとしても、私には理解できると答えることはできないだろう。



彼らを認めることは、私の人生を否定することになってしまうから。



私にはそんなことできない。