その手で溶かして


いつだったか会った女には私を“幼なじみ”と言ったウミ。 



それなのに今日は“エンの彼女”。



間違ってはいないけど、違和感を感じる。



「真雪ちゃんはこの後予定あるの?」



女に声をかけられ、やっとの思いで振り返った。



「家に連絡をしてみないとわからないわ。」



「そっか。」


と明らかに落胆した表情を見せる女。



「取り敢えず帰ろう。真雪が行けそうなら連絡するよ。」



「わかった。」



遠藤君の言葉により、やっとこの場から解放される。



私はウミと女の後ろ姿を見つめながら


「どうして?」


と心の中でウミに投げ掛けていた。