その手で溶かして


「じゃあ、私と同じね!」



「お前は頭が悪くて大学に行けないだけだろ?エンと一緒にするな。」



「拓海~酷いよぉ~」



可愛らしく頬を膨らます女に向かって、ウミと遠藤君が優しく笑う。



早くこの場を立ち去りたい。



でも、進行方向は塞がれている。



あの季節は過ぎたというのに冬の匂いが鼻先をかすめる。