その手で溶かして


もう終わったのだと解釈した私は、乱れた制服を整えながら体を起こす。



「なんで抵抗しないんだよ?」



「私がいくら抵抗したって、ウミが本気を出せば勝てるはずなどないでしょ?」



「ははっ。抵抗するだけ無駄ってわけか。」



乾いた笑い声が、虚しく響き渡る室内で私は自分の爪先を見つめていた。



靴……履いたままだ。




「このままやられちまっても仕方ないって思ってるのかよ?」



「ウミは私なんかにそんなことはしない。女の人に不自由してるわけじゃないんだし。」



「俺が女に不自由してない?」



「だって、毎日違う女の子と仲良くしてるじゃない。彼女なのかはわからないけれど……」



先程までの光景を思い出すと何故だか胸が痛みだす。