その手で溶かして


私の上に覆いかぶさったウミから視線を逸らす。



「ユキ。いつまで仮面を被っていられる?」



仮面?そう聞こうとした瞬間、私の唇に温かな感触が伝わった。



恋愛経験のない私にも、それがウミの唇だということくらいはわかる。



少しかさついたウミの唇から、私の口の中へと何かが入り込んできた。



私の嗅覚は日向の匂いを感知し、安らぎさえ感じている。



沢山のことがあの頃と変わった今、確かに変わらないウミの匂い。



太陽の下にあまり出ることのない私にはその匂いが何故か懐かしい。



こんな状況だっていうのに、こんなことを考えている私の脳内を知ってか、知らずか、わからないけれどウミは唇をそっと離した。



「今がどういう状況なのかわかってる?」



「えぇ。それなりに。」



私の返答にため息を吐いたウミは私が寝転がる横に腰を掛けた。