「普通は涙を見せたりするのかしら?」 「途中からしか聞いてないけれど、あんなふうに詰め寄られたら泣き出す子もいるだろうね。友達って言葉を使って真雪を脅していたようなものだから。」 「そんなものかしら?」 「真雪は傷ついていないの?」 勿論、傷なんて付けられていない。 サワの言葉のどこに傷つけばいいのか私にはわからないくらいだから。 「えぇ。ちっとも。」 「真雪は強いのかな?」 傷付かない私がまるで変だとでもいうように遠藤君は苦笑いをしながら、言葉を濁す。