その手で溶かして


そんなことばかり考えていると、目の前にサワがいることを忘れてしまいそうだった。



「……たし、あきらめない…」



「えっ?」



下を向いたまま話しだしたサワの声が聞き取れずに、私は一歩前へと体を傾けた。



「私は遠藤君のこと諦めないから。」



「えっ……うん。」



「うんって、真雪はそれでもいいの?それとも、私には取られないっていう自信でもあるの?」