その手で溶かして


「真雪は?進学だよな?」



「えぇ。普通で当たり前だけど国立大に行くわ。」



「迷ったりはしないのかい?」



「私は普通や安定を自ら望んで選んでいるから、迷いはないわ。」



こうして言葉にしてみると、どこか自分の言葉ではないように感じる。



「話のついでに、もう一つ聞いていいかな?」



「えぇ。勿論。」



時計を見ると、今から勉強し始めても中途半端になってしまう。



今日は諦めて、開いていたノートを閉じ、ペンをおいた。



1番になれたせいか、こんな余裕さえたまに顔を出す。



少し前までの私なら一分一秒も無駄にはしたくなかったはずなのに……