「真雪はそろそろ帰る時間じゃないか?」 「そうみたい。勉強時間を使わせてしまってごめんなさい。」 「俺は構わないよ。真雪と話をするのは楽しいし。」 そんなこと、お世辞でも言われたことがない。 私の話など、いつも面白くなく、相手を楽しませることなどできないはずなのに。 いつだったか昔に、ママに言われた悲しい記憶。 「貴方の話などつまらないわ。お喋りの時間があるなら勉強しなさい。」 そうだ。 きっとこの時から私は自分の話が相手にとってつまらないものなのだと、認識した。