「もしかして、噂のことで誰かに何か言われた?」 遠藤君の耳にも噂は届いていたのか。 「違うわ。噂を切っ掛けに少し気になってしまって。」 「そうか。噂はすぐに消えるさ。当人達が相手にしてないのだから。」 「そうね。」 私は自分からふった話なのに、時計を見て愕然とした。 この時期に、無駄な時間を費やしてしまったと……