その手で溶かして


「エン。来てたのか?」



前方から、聞きたくない声が聞こえてきた。



その声と共に遠藤君は昔、エンと呼ばれていたことを思い出す。



私は咄嗟に遠藤君の後ろに身を隠した。



何故かはわからないけれど、体がそう反応してしまったんだ。



「お前の最後の試合くらい観てやろうと思って。」



「負け試合なんか観にきて、また馬鹿にするつもりだろ?」