無口で不器用な年下くん。



…まぁ、トイレは我慢してないけどね。


「…拓哉?」


「莉子、行くぞ」


拓哉は突然、私の制服の裾を引っ張られ、外へ向かって歩き出す。


慌てローファーを履き、二人に手を振ってバイバイした。


…私が森下君と笑い合ってるとき、拓哉と坂井君、睨み合ってた…?


一歩前を歩く拓哉の背中を見ながら心の中で思う。



拓哉に裾を引かれながらいつものファミレスに着いた。



「もう、拓哉歩くの速いから疲れたー」


「ごめんごめん!今日は奢るから」


「え~悪いよ~」


ファミレス内に入り、席に付いて笑いながら言い合う。