「…お前らまだ居たのか」 拓哉は急に顔が強張り、低い声で二人に言い放った。 そんな露骨に…っ。 拓哉の態度に私は挙動不審な行動をしてしまう。 前にこんな雰囲気が拓哉と坂井君の間に流れたとき、凄く険悪だったから、何か話題を考えようと靴を履かないまま二、三歩行ったり来たりする。 拓哉の態度に気付いていないのか、私の行動に森下君が腹を抱えて笑いだした。 「桃センパイ何してんすか!トイレですかー!」 森下君の笑い声のお陰で険悪な雰囲気は流れなかった。 その能天気さに救われてホッとする。