無口で不器用な年下くん。



「本当、バスケ馬鹿だね」


「バスケ大好きだもん~。でも今日はいつもより気合い入ってるよ。一年生の仮入部が始まるからね!」


購買へ続く廊下を歩きながら言う。


私の声の大きさにすれ違う人達は私達の顔をチラチラ見てきた。


「莉子声大きい。こっちが恥ずかしいわ」


「だって今年はどんな一年生が入るか楽しみじゃん♪」


私が笑顔でそう言うと、華歩が何かひらめいた表情をする。


「そういえば、噂だけど中学の時に強化選手に選ばれるくらいの子がこの学校来るって噂されてたけど」