無口で不器用な年下くん。



体育館に入り、数分後、最初の集合が掛かる。


坂井君はギリギリに入ってきてセーフ。


思いっきり走ったのか前髪が上がってるの見て思わず笑ってしまった。


…坂井君は無言で睨んできたが。


「では、選抜メンバーを発表する」


顧問が真剣な表情をしながら、名簿を見ながら呟く。


何故か私まで緊張する。


「槙田」


「はい」


最初に拓哉の名前が呼ばれる。


流石、と思いながら顧問の言葉に耳を傾ける。