「……多分、ここまで双葉高校バスケ部がやってこれたのも少なくは──…」


そう言って坂井君は私の頭の上に手を置いた。


「センパイのお陰ですよ」


その言葉を聞いて、抑えていた涙がブワッと溢れ出す。


後輩にこんなこと言われたことなんて一度もなくて、涙が止まらない。



涙を拭いながら坂井君の顔を見た瞬間、心臓がドクンッと高鳴った。



坂井君は自分の手で口を隠し、顔を赤面させて恥ずかしそうにしていたから──。