無口で不器用な年下くん。



ゆっくり目を開けると、自分の今置かれてる状況にビックリする。


前に電車で密着したより、坂井君に抱き締められてる自分が居たから──…。


不可抗力で私を抱き締めてしまったんだろうけど、それを知ってて私の心臓は速さを増す。


「ささささ、さかさか、坂井君…っ」



動揺が隠せなく坂井君の名前を呼ぶのにどもってしまった。


顔の赤さが更に増してしまう。



「…大丈夫ですか」


坂井君は冷静にゆっくり私から離れ、私の目を見ながら問う。