無口で不器用な年下くん。




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片道一時間の道をバスに揺られながら地元へ向かう。


試合に出た選手皆、朝のどんちゃん騒ぎとは真逆で静寂に包まれてる。


みんな疲れて口を開けながら爆睡。


そんな姿を見てると自然に笑みが溢れる。


「………ん」


毛布を一人一人に掛けていると、坂井君が目を擦りながら目を開けた。


今日の試合は坂井君の大活躍により双葉高校は勝利した。


今日のMVPは坂井君で、一番疲れている筈の人物。


「あ、坂井君ごめんね。起こしちゃった…?」


周りのみんなを起こさないように小声で坂井君に言う。