無口で不器用な年下くん。



「大丈夫だ。これは練習試合なんだから。…莉子、沢田の止血を頼む。坂井、後半から入れ!」


拓哉の指示に私も坂井君も大きく頷く。


そしてまた試合が始まった。


五分もしない内に前半が終わり、双葉高校の選手みんな沢田君の元へ駆け寄る。


「莉子、沢田大丈夫か?」


汗をタオルで拭いながら、心配そうに私に聞く。


「うーん…。傷は浅いけど血がまだ止まらない。病院行った方が良いかも…」


血で染まったガーゼの山が沢田君の隣に置いてあるのを見て、拓哉は顔をしかめる。