一旦タイムをし、その場で止血を始める。 ちょうど、私はメモをしていてどんな状況でこのようになったのかわからなかった為、作業をしながら拓哉に聞く。 拓哉の話によると、沢田君がシュートを決めようとした瞬間にそれをカットしようとした相手の爪が瞼をかすったらしい。 瞼には沢山の血管が通っていて、血は他の箇所より止まらない。 「沢田君、今日はもうダメだよ」 「……あぁ、わかった。拓哉、すまない」 真っ赤に染まったガーゼで瞼を押さえいる沢田君が拓哉に向かって申し訳なさそうに呟く。