「あれ…、坂井君」 「…あ、ども…」 坂井君は私の存在に気付くと本当に眠そうに軽く頭を下げた。 多分、坂井君も後ろの騒ぎに着いていけなかった一人だろう。 森下君は先輩や同級生らと騒いでるし…。 …未だに坂井君と森下君が仲が良い理由がわからない。性格なんて全くの真逆なのに。 私も首がコテン、と落ちそうな時、拓哉の頭が私の肩に落ちてきた。 ビックリして目を見開く。 ちょ…っ、隙間から坂井君に見えちゃうって! 恥ずかしくて眠ってる拓哉の体を無理矢理起こそうとするがびくともしない。