何故だか胸が苦しい。 ギューッと心臓が縮むような感覚が襲う。 「………」 でも…、この痛みは嫌じゃないんだ。 前に、なったよりも強いが、何か違う物がもっと大きくなった。 この正体は私自身なにかわからない。 坂井君の不器用さに私は自然に笑みが溢れた。 本当、こんな人見たことない。 完璧過ぎだよ──…。 数分、私は坂井君が消えた方向をずっと見つめていた─…。 時間を考えずに──。