私は笑いを堪え、玄関に入り靴を脱ごうと靴に手を掛けた。 その瞬間、頭の中に疑問が過る。 ……ネギって、あそこのスーパー、長いネギ丸々しか売ってない…。 坂井君はリュックしか背負ってなかったよね…。 もし、その中にネギをしまっても絶対に青い部分が飛び出てしまう…。 私はまた玄関の扉を開けて、坂井君が消えた暗闇を見つめた。 ……ネギを買ったなんて嘘。 いや、まず東西ストアに用事っていうのも嘘だったんだ─…。 あの学校の玄関の場で、拓哉に困ってる私を助けてくれたんだ──…。