無口で不器用な年下くん。



心臓が口から飛び出そうな程うるさい。


胸の奥がキュンキュンとして、苦しい。


苦しいけど……嫌じゃない。


「さ、かい君。ごめんね!」


寄っ掛かかりながら坂井君に謝る。


この状態だと説得力がないが…。


「…大丈夫、です」


顔は見えないが、坂井君の声が詰まるのが聞こえた。

きっと辛いけど我慢してくれてるんだ…。


申し訳ない気持ちでいっぱいだが、坂井君のリズムを刻んでる心臓が心地よくて寝てしまいそうになる。


…私の心臓はこんなにもうるさいのに、この状況で一定のリズムを刻んでる坂井君の心臓は強いと思うよ…。


…眼中にない存在だから緊張も何もしてないだけなんだと思うけど…。