無口で不器用な年下くん。



「………わ…」


抵抗する暇もなく、何かに寄っ掛かってしまう。


温かくて固い何かに。


さっきまで苦しかったのが嘘みたいに呼吸がしやすい。


少しだけ顔を上げてみると、信じられない光景が私の目に映った。


「…」


私を庇うように、苦しくないように自分を盾にして立っている坂井君が居た。


私の頭は坂井君の胸板に置いてあるのかー!!!!


自分の今置かれてる状況を知った瞬間、一気に体温が急上昇するのがわかる。