無口で不器用な年下くん。



真顔で私の方を向きながら言う坂井君。


別に良いですよ…って。



「これで決まりですね♪」


森下君はそう言い、校門へと歩き出す。


「いや…っ、俺が送るって」


解決したかと思えば、拓哉が何かに焦りながら言う。


「だから大丈夫だって。坂井君も。私、東西ストアに寄って帰らなきゃいけないし」


東西ストアとは家の近くのスーパー。


お母さんに明日のお弁当の冷凍食品を買ってきてと朝言われていたのを思い出し二人に説明した。