無口で不器用な年下くん。



森下君に家の住所を説明すると、何かひらめいた表情をした。


「あ~。その方面なら陸と同じ電車ですよ。陸に送ってもらえば良いんじゃないんですか!?」


笑顔で真顔の坂井君を指差しながら言う森下君。


森下君がそう言った瞬間、迷惑そうに眉を寄せる坂井君。


「い、いや!だから大丈夫だよ!坂井君に迷惑だし!」


ブンブンと手を降り、送ってもらうことを否定する。


すると、坂井君は小さく口を開いた。


「………別に良いですよ」


「へ?」


思いもよらない言葉に変な声が出てしまった。