無口で不器用な年下くん。



「そっかあ~♪…あ、坂井君お疲れ様~」


坂井君は額から汗を流し、私の隣に置いてある自分の荷物の所へとやって来た。


「…ありがとうございます。…桃山センパイ、部長が呼んでますよ」


「え、本当?ありがとう!」


坂井君にお礼を言い、私は拓哉の元へと走る。


練習の邪魔にならないように端を通り、拓哉の元に着いた。


「部長、呼んだ?」


「あぁ。今日いつもより練習遅くなるから先に帰っても良いよ。暗くなるから」


拓哉よりも奥にある窓を見てみると、もう外は真っ暗。


時刻も19時を過ぎていた。