無口で不器用な年下くん。



私がそう言うと、またきょとんとした表情をする。


「高校にはマネージャーがあるんですか」


「そうだよ~。あ、留学先にはそんなのなかったの?」


「はい。アメリカにはありませんでした」


バスケットの本場、アメリカが留学先だったんだ。


不思議そうに言う坂井君に私は笑ってしまう。


「あはは。坂井君世間知らず~」


うりゃ、と言いながら人差し指で坂井君の腕をつつく。


私がいじると、坂井君は綺麗な顔を少し歪め、私に冷たい視線を向けた。


流石に図々しかったかな…。