無口で不器用な年下くん。



ビクッと私の肩が跳ねる。


勢いよく後ろを振り向くと、真顔で私を見つめる坂井君が居た。


髪の毛が水で濡れていて色気が半端ない。


「…何ですか…」


小さな声で坂井君は私に言う。


「あ、はい!水!」


慌ててペットボトルの水を坂井君に渡す。


その行動にきょとんと目を丸く開ける坂井君。


「………」


「ん?どうしたの?」


「…あなたの仕事ってこれですか?」


「うん。そうだよ?てか、私は桃山 莉子って言うの。バスケ部のマネージャーだよ」