無口で不器用な年下くん。



………ぶつかったのは坂井君だったのかー!


その事実を知った途端、急に恥ずかしくなり赤面してしまった。


…本当、恥ずかしい。
めっちゃ鈍い音とか響いたし、『お尻、大丈夫』とか言われちゃったし…。


穴があったら入りたいよ~…。


火照ってる頬を両手で押さえて熱を冷ましていると、笛の音が鳴り響いた。


いつの間にか基本練習は終わっていて、本格的な練習になっていた。


ディフェンス有りのシュート練習。


「…あ」


思わず声が出てしまった。


私の目に入ったのは、三年がシュートを決めようと投げたボールを坂井君がジャンプをし、それを阻止した瞬間。


その瞬間は世界が違ってスローモーションに見えた。


思わず見入ってしまう。