無口で不器用な年下くん。



私がそう挨拶すると、一年生は初々しく返事を返してくれた。


「…次は──……」


拓哉が次の説明をしようと口を開いた瞬間。


勢いよく体育館の扉が開いた。


一斉に静まり返り、皆扉の方を恐る恐る振り向く。


私はゆっくり振り向き、扉を見た瞬間、目を見開いた。



そして胸の奥がドクンッと高鳴る。


……かっこいい。


扉を開けたのは─、

この学校の制服を着て、長身で、一回も染めたことの無いような綺麗な紺色の髪の毛、切れた瞳、筋の通った鼻筋。


まるで絵に書いたような男の子───…。