「あはは!初恋おめでとう!」
街の至るところから蝉の鳴き声が響き渡る季節。
教室の窓を全開に開けても熱気が充満する室内で、華歩が笑い混じりに叫ぶ。
「ちょ、恥ずかしいって!」
只でさえ暑いのに華歩の発言に額から汗が倍吹き出した。
「マネージャー業も終わって、専門学校の推薦も決まればもう恋愛し放題じゃん」
現国のノートでパタパタ扇ぎながら華歩は言う。
そう。
私は三年間勤めてきたバスケ部のマネージャーを先日終えた。
高体連は、予選も勝ち抜き、管内でも優勝して全国への切符を手にすることが出来た。
全国の強さを身に染みるほど実感したが、ベスト8という素晴らしい実績を残すことが出来たんだ。